今回は初めに書きます。
※注意1ここで言う彼女、とは携帯のことです。
※注意2このお話はフィクションです。登場する人物団体その他はほぼ全て妄想です。実際とは関係ありません。
MDMA宅 --朝--
今日こそはのんびりと過ごそうとしていた俺だったが案外早く起きてしまった。
起きてしまったのは仕方が無いので、寝転がりながらとりあえずメールを確認する。
が、
「メールする相手なんてほとんどいないじゃない」
辛辣な朝のあいさつが頭上から浴びせられた。彼女―802SEだ。
「そりゃそうだ」
「あら案外さっぱりした反応ね。」
午前中はいつも元気が無いのを知ってるだろうに、そんなに期待しないでくれ。
「夜を中心に動くのが正しい紳士なのだ。」
「はいはい、また深夜のネットめぐりでしょう」
サーフィンと言ってくれ、と答えようとしてやめた。
何だか疲れが溜まっているようだ。
そのまま彼女のメモ帳で予定を眺めながらぼーっとしていた。
しばらくそうしていると彼女の方から話題を振ってきた。
「私がサーフィンを手伝ってもいいのよ。」
どうやら何も言わなかったのを気にしたようだ。
インターネットは…まぁPCの方が便利だよな…
「別にいいよ。それにキミじゃ無理なことが多すぎるだろう?」
別に、深い意味は無かったが嫌な言い方になってしまった。
こんなことが言いたいワケじゃないのに。
「何なら動画も私に任せてくれていいんだから。」
「いや、それは無いだろ…」
即答した。
もっと他に言い方があっただろ俺…
「確かに私じゃ無理よ。……信じられないくらいの欠陥娘ですし」
ぷい、と後ろを向いて話を切ってしまった。
急に部屋が広く感じた。どう見ても狭い部屋だが、静かになるとやけに寂しい。
開いていた窓から入る風も妙に冷たい。
この空気に耐えられなくなって、俺は結局彼女に話しかけた。
「あ、その…さ、」
「そうよ!」
「うわっ!な、何?なに?」
突然立ち上がった彼女に俺は変な声を上げてしまう。
「私は黒幕なのよ!」
「黒幕なら直接手は下さないわ!」
「例えばフトコロガタナを連れてたりするワケよ!」
たたみこむセリフに俺はついていけなかった。え?どしたの?
「そうと決まれば、善を急ぐわ!!」
直後彼女は たっ、と出て行き
―すぐに体力の限界を感じゆっくりと歩きながら―どこかへ出かけてしまった。
ついてくるな、といった感じのオーラを出していたので俺は留守番することにした。
彼女のことだ、早々に帰ってくるだろう。
--昼--
やはり出かけずにゆっくりしていった俺。
『いいとも』の増刊も見終わってしまった。
彼女はまだ帰って来ない。今頃ヘトヘトだろうに…
--夕方--
録画した『ぷっすま』の3時間SPも見終わった。正直、内容はあまり覚えていない。
流石に心配になってきた。
しかし外に出るのもなんなので、録画した『ガリレオ』の特番も見ようかと考えていたその時だった。
「これよ、これ!」
やや疲れたように見える彼女が楽しそうに誰かを連れてきた。
「これからの時代ワンセグよ!」
「そして、おサイフケータイよ!」
「さらに、フルワイドVGA液晶よ!」
「あとハイスピードに、世界対応に、520万画素よ!」
彼女の後ろに礼儀正しく立っていたのはスラリとした彼女よりやや背の高い女の子だった。
「…つまり?」
俺はいまだに状況が飲み込めないでいた。
「だーかーら、メイドよメイド。私の代わりに仕事してもらうの。」
な ん だ と ?
メイド……さん?…を雇う…ってことなのか。
「あの、つまり俺の新パートナー?」
とりあえず言葉を選んで言ったつもりだったが、コンマ2秒で否定された。
「違うわ。あなたの彼女は私だけでしょ。この娘はパーフェクトなメイドなの。名前は923SH」
「よろしくお願いします。」
あいさつされても…いきなり過ぎるだろ…
しかし俺の困惑をよそにそのメイドは彼女から書類を受け取り整理を始めた。
「あ、いやその手紙はここに置いといて」
「しかし、最近はこう置くのがスタンダードです。」
「ほら、優秀でしょ?」
いやいやいや…確かに完璧だけど、俺は最近の「普通」なんて知らないぞ。
しかも、いつの間にかメイドになるってのは決定してるし…
「あのさ、もうちょっと順序とか無いの?」
「無いの。」「無いです。」
…うん、これから相当難しいことになりそうだ…
そのまま923SHは仕事を続けて働きまくった。
彼女は今日一日動いたせいかグッスリと寝てしまっている。
寝てるとかわいいんだけどな…
その寝顔を見る機会が増えた、ってことか…
メイドさんの方は超優秀だし、案外いいことばかり…なのかな。
…うん。我ながら素晴らしい順応能力だ。
そうだなポジティブに行こう。
…もちろんメイドさんへの給料で家計は苦しくなるわけだが…
ってことで、
どうも、またやってしまったMDMAです。もう正直痛い記事も慣れたよね。
ところで
ケータイを変えました
今回の話に出てきたメイドがコチラ
923SHです。おそらく今のソフトバンクで最も機能を積み込んだケータイ。
そしてよくブログに出てくる「彼女」がコチラ
802SE。
最初で最後のソニー製ボーダフォンケータイ。外部メモリは何とMS-DUO!
メイドさんに彼女を撮ってもらったら画像がめちゃくちゃ大きくなってしまった。
でも、最後だからいいよね。今までありがとう。
これからは我が家でのんびりしてもらいましょう。
以上、4年間働いてもらった彼女が引退すると少し悲しいMDMAでした。
「別に引退はしないわ。影で全てをあやつるだけよ。」
そうでした、そうでした。メイドさんもだけど、これからもよろしく。